こんにちは。倉敷市を拠点に全国で一般着付け・日本舞踊の着付けをしているコヤノミツグです。
成人式の着付けが終わり、順調な滑り出しの2023年でございます。
さて、今日は作り帯について書きたいと思います。
自分で帯を結ぶのが難しくなった時に選べるのが「作り帯」です。
着付けにお伺いしてお話ししていると
『以前は自分で着てたんだけど…肩を痛めてから手が上がらなくなっちゃって』
というお話しをよく聞きます。
キモノはご自身で着れてても、最大のネックは『帯』です。
お太鼓を作る際に、手を後ろに回して、帯枕を両手でひょいっと持ち上げないといけないのですが、これが大変!
正直、着付け初心者の方でもここは苦手な方は多いです。
帯が苦手だからキモノが遠のく・・・なんてことも多いのが現実です。
帯を前で作ってから背中に回す『前結び』という方法もあります。
半幅帯ではよく使う方法で、浴衣を自分で着る際はこの方法で結んでいる方がほとんどです。
しかし、名古屋帯、袋帯となると話は別です。慣れ親しんだ背中で作るやり方から前結びに変えると左右が逆になるので、簡単そうで実は難しいのも事実なのです。
帯を自分で結べない時の選択肢は2つ
帯が自分で結ぶのが難しくなった際の選択肢は2つです。
1つ目は誰かに結んでもらう。これは近くに着付けをできる家族がいる方や着付け師にお願いすることになります。自分のペースで着れないというのはやはりちょっと不自由さが残りますよね。
2つ目の選択肢は「作り帯」です。
キモノを自装できる方には「作り帯」の選択肢もあります。
作り帯とは、現在お持ちの帯を加工し、あらかじめお太⿎の形を作っておいて、手結びをする必要がない帯のことです。
お太⿎をはじめ、⾓出し(銀座結び)なども可能です。
作り帯の種類
作り帯にも多種多様ありますが、作る方法は大きく2つあります。
①帯を切らずに作る方法
②帯を切って胴巻きとお太鼓と別に作る方法
意外と帯を切る仕立て方法しかないと思っていらっしゃる方が多いのですが、実は両方の仕立てができます。
ご自身の用途に合わせて仕立て方を変えることができますが、着付け方法も少し異なります。
①帯を切らずに作る方法
帯を切らずに作り帯を作る方法は、一時的に(特定の日のために)早着替えをしたい方やゆくゆく帯をどなたかに譲りたいと考えている方におすすめの仕立て方です。
ただし、着る時には少し慣れが必要です。
通常の帯結びとも、2部式の作り帯とも勝手が違うので、初めてその帯を使う前に練習が必要です。
また、帯の胴回り部分が締まりにくいというデメリットもあります。
しかし、帯を一度切ってしまうと通常の着付け方法では使うことができなくなってしまうため、帯の原型を残しておきたい方、ハサミを入れたくない方はこちらを選ばれるとよいでしょう。
②帯を切って作る方法
2つ目は帯を切って胴回りとお太鼓(帯結び)部分をわけて作る方法です。
着る時に楽でキレイなのはこちらの方法です。
お太鼓のポイント柄の出る場所を毎回気にしなくてよい、お太鼓の大きさの調整が不要、二重太鼓も簡単にできます。
※二重太鼓は通常のお太鼓と手順と出来上がりが違います。
『帯を切ってもいい』と言われる方でしたら写真のような仕立てをオススメしています。
「楽」はもちろん大事ですが「キレイに着れる」はもっと大事ですよね。
また、お太鼓の部分は完璧に作ってしまわないので、身長や好みに応じた着付けが可能です。
写真は塩瀬の名古屋帯ですが、織の帯や袋帯も可能ですし、通常のお太鼓と二重太鼓、どちらでも作り帯にすることができます。
ちなみに、弊社でのはその道のプロから長年の経験から導き出された㊙️仕立てを引き継がせていただいております。
「キモノを着続けたい」を叶えるための作り帯
着付師の立場から言わせていただくと、やはり着付けの基本は手結びだと思っています。
着付けの初心者が作り帯を使うのは正直おすすめはできません。
なぜなら、帯結びは着付けの一部であり、着付け全体を正しく知り “美しくキモノを着る” ことが理解できていないと “真の美しいお太鼓姿” は簡単ではありません。
だからこそ、今までは手結びをしていた方が作り帯の選択肢を選ばれるのは “アリ” だと思います。
美しいご自身の着姿を知っておられるからこそ着こなすことができ、お身体の都合にあわせてキモノをいつまでも楽しめるなら、最良の選択肢と言えるからです。
作り帯にご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
内緒ですが、当店での作り帯のお仕立ては¥10,000円でお釣りがあります。
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