キモノ着用後のお手入れ〜クリーニングは必要?襦袢や帯のお手入れ方法と適度な頻度〜

キモノの基礎知識

皆様こんにちは。
岡山県倉敷市にて着付け塾を主宰しております古谷野貢(コヤノミツグ)です。

全国で衣裳方として各流派日本舞踊会を中心に活動する傍ら、現代の衣裳(振袖、婚礼衣裳、訪問着など)の着付師としても活動しております。

2023年からは「きつけ塾こやの」を主宰し、現場を飛び回りながら磨いた実践的な技術を、余す事なくお伝えしております。

▶︎きつけ塾こやの

さて、今日はキモノ・襦袢・帯のお手入れ、クリーニングについてお伝えしたいと思います。

日本の伝統的な衣装であるキモノは、その美しさを保つために適切なケアが必要です。特にクリーニングの頻度やシミ抜きのタイミングを誤ると、せっかくのキモノが劣化してしまうこともあります。

キモノを長く美しく保つためのお手入れ方法について詳しくご紹介します。

キモノのクリーニングの頻度について

「一回着ただけでクリーニングに出すべき?」と悩まれる方も多いかもしれません。

キモノはデリケートな繊維でできており、洗う回数が増えるほど生地が傷みやすくなるため、頻繁なクリーニングは避けた方が良いのです。

しかし、一度の着用でも汗を多くかいたり、雨に濡れてしまったり、食べ物や飲み物をこぼしてしまった場合には、できるだけ早く適切なケアを行うことが重要です。

こうした汚れは放置すると変色やカビの原因となり、最悪の場合は元の状態に戻せなくなってしまうこともあります。

特に目立つ汚れがなければシーズン終わりにクリーニングを

もし特に目立った汚れがなければ、シーズンの終わりにクリーニングに出す程度で問題ありません。

ただし、「汚れていないから大丈夫」と思い込み、そのまま何年も収納してしまうのは避けましょう。

キモノは着用後に見た目では汚れが分かりにくくても、衿や袖口、脇の部分には汗や皮脂が付着しています。これらは時間の経過とともに酸化し、黄変してしまうことがよくあります。

長い期間収納してから取り出した際に、思いもよらぬシミが現れていることも少なくありません。

着用後は風通しの良い場所で陰干しをして、汗や湿気をしっかり飛ばしてから収納するようにしましょう。

襦袢のクリーニングについて

襦袢はキモノと同様にお手入れが必要ですが、肌に直接触れるため、キモノ以上に汚れやすいという特徴があります。

そのため、クリーニングの頻度についても少し考慮する必要があります。特に、汗の影響を受けやすい襦袢は、キモノよりもこまめに洗うことが理想的です。

素材によってもお手入れの方法が異なります。

正絹の襦袢はデリケートなため、可能な限り専門のクリーニング業者に依頼するのが良いでしょう。

一方で、近年では家庭で洗える正絹の襦袢も登場しており、化繊や綿、麻の素材を使用した襦袢であれば、自宅で洗濯することも可能です。ご自身の着用頻度や使用環境に応じて、適切なお手入れ方法を選択しましょう。

帯のクリーニングは必要?

では、帯はどうでしょうか?

キモノに比べて帯は直接肌に触れることが少ないため、頻繁にクリーニングに出す必要はありません。

しかし、着用時にシミが付いてしまった場合や、長期間保管する前には一度チェックすることが大切です。

帯のお手入れの基本としては、着用後に必ず吊るして陰干しを行い、湿気をしっかりと飛ばすことが重要です。

また、シワができてしまった場合には、当て布をしてアイロンをかけることで、ある程度きれいに整えることができます。それでもシワが気になる場合は、専門業者に依頼して「シワ取り」をお願いすると良いでしょう。

パールトーン加工について

パールトーン加工とは、キモノや帯に施す撥水加工の一種で、水や汚れを弾く効果がある加工として知られています。

この加工をするかどうかについては意見が分かれるところですが、特にお茶席に通われる方や飲食業に従事される方には、パールトーン加工を施しておくことをおすすめします。

特に淡い色のキモノや帯は汚れが目立ちやすいため、こうしたアイテムには撥水加工を施しておくと安心です。

ただし、パールトーン加工には注意点もあります。水を弾く効果はありますが、お湯やアルコールには弱く、油断すると染み込んでしまうこともあります。

「撥水加工をしているから安心」と思い込まずに、飲み物をこぼさないように注意することが大切です。

また、キモノが仕立て上がった後でも、多少費用はかかりますがパールトーン加工を施すことは可能ですので、心配な方は後からでも検討すると良いでしょう。

シミ抜きの効果と対処法

シミ抜きの効果は、シミの種類や経過時間によって異なります。早めに対処すれば比較的簡単に落ちるシミも、時間が経過すると酸化してしまい、生地が変色してしまうことがあります。

そのため、汚れがついた場合にはできるだけ早く専門店に相談することが重要です。

もしシミが完全に抜けない場合には、シミの部分を染め直したり、柄を描き足してカバーする方法もあります。

私がシミ抜きを依頼された際には、まず職人と相談し、最適な処置を提案したうえで見積もりを出します。所有者の方にしっかりと説明し、ご納得いただいた上で作業を進めるようにしています。

▶️着物のアフターケア、シミ抜き、染め替えなどのご相談

まとめ

キモノは適切にお手入れすることで、美しい状態を長く保つことができます。

頻繁にクリーニングする必要はありませんが、着用後の湿気をしっかり飛ばすなど日頃の着用後のケアは最低限行うようにし、シーズンごとにはクリーニングにだすのが理想的です。

また、特定のシワやシミが気になる場合には専門業者に相談するようにしましょう。

キモノは適切なお手入れを心がけることで、次の世代へ美しいまま受け継ぐことも可能です。ぜひ、日々のケアを大切にしてキモノライフを楽しんでくださいね。

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    個人情報保護マネジメントシステムを実行するにあたって、個人情報に関する法令、規範及びガイドラインなどを遵守いたします。
    個人情報保護マネジメントシステムは定期的に見直し、継続的な改善に努めます。

    制定:2022年11月1日 古谷野 貢

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