日本舞踊のキモノと一般のキモノの違いを徹底解説|裾引き・帯・襦袢

キモノの基礎知識

皆様こんにちは。
岡山県倉敷市にて着付け塾を主宰しております古谷野貢(コヤノミツグ)です。

全国で衣裳方として各流派日本舞踊会を中心に活動する傍ら、現代の衣裳(振袖、婚礼衣裳、訪問着など)の着付師としても活動しております。

2023年からは「きつけ塾こやの」を主宰し、現場を飛び回りながら磨いた実践的な技術を、余す事なくお伝えしております。

▶︎きつけ塾こやの

日本舞踊の着物と一般の着物には、仕立て方も着付け方も大きな違いがあります。

例えば、裾の長さや衣紋(衿)の抜き方、帯の選び方一つで舞台での立ち姿や踊りやすさが変わります。

この記事では、古典舞踊と新舞踊の違いを踏まえながら、一般のキモノとの具体的な違いをポイントごとに整理しました。

日本舞踊の衣裳を初めて準備する方や、一般のキモノを舞踊用に活用したい方はぜひ参考にしてください。

日本舞踊には2種類ある

まず、日本舞踊は大きく2つに分かれます。

① 古典舞踊
江戸時代から続く歌舞伎舞踊に由来する。
400年以上の歴史があり、演目ごとに衣裳が決まっている。

② 新舞踊
大正期以降に生まれた舞踊。
古典舞踊の動きや所作に由来し、演歌や歌謡曲に振り付けする舞踊が一般的。

古典舞踊のキモノの特徴

演目によって衣裳が特徴的なので詳細は割愛しますが、芸妓さん・舞妓さんの例で特徴を説明すると

裾引き

キモノの裾を長くし、床を引き摺るように着せる。

衣紋の抜き

カツラをかぶるので衿にカツラが当たらないよう、後ろ衿をたっぷり抜く。

仕立ての特徴

  • 大きな繰越しをつける
  • 前巾を広めに仕立てる(衿下を表に返すため)
  • 身丈がかなり長いので文様付けも一般のキモノとは異なる

舞踊衣裳の「はしょり着付け」とは?

舞踊の衣裳も「はしょり着付け」で踊ることがあります。
このとき、一般のキモノとの違いについて説明していきます。

衣紋の抜き加減で身丈が変わる

  • カツラの場合
    髱(たぼ)に合わせて衣紋を大きく抜く
    → 一般のキモノはたっぷり抜く想定で仕立てられていないので、前身頃が後ろに引かれ、おはしょりが無くなる。

  • 地髪の場合
    カツラほどではないが、やや多めに衣紋を抜くので同様の現象が起こる。

  • 祝儀舞で黒紋付に後見の帯の場合
    帯を前を下げて締めるため、身丈が短いとおはしょりが無くなる。

結論、一般のキモノを舞踊で使うなら、身丈を長めに仕立てておくのがおすすめ。
多少長くても着付けで調整できるので問題なし。

帯は「全通の袋帯」がおすすめ

現代では一般的になった “六通の袋帯” ですが、『六通』は近年登場した柄付けで、昔はありませんでした。

舞踊では時代考証に沿った帯結びをします。

例えば、舞踊のつのだし、後見結び、一文字、などです。 その場合に “六通の帯” では見える部分に柄がないなどの不都合な場合が多々あります。

舞踊の衣裳において現代の帯の中から選ばれるのであれば “全通の袋帯” が絶対的におすすめです。

襦袢は「二部式」を使う

舞踊の着付けにおいて、大事なのは

「衣紋の抜き加減」
「裾の合わせ方」

これは、キモノだけでなく下着である襦袢も気をつける必要があります。

一般的な長襦袢ではキモノと同様に衣紋を抜けば前身頃が短くなりますので裾をキレイに合わせる事が不可能なのです。

そのため、二部式の襦袢を使用することが一般的です。二部式であれば上下が分かれているため、柔軟な着付けが可能なのです。

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    個人情報保護マネジメントシステムは定期的に見直し、継続的な改善に努めます。

    制定:2022年11月1日 古谷野 貢

     

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